ライ麦狼の寝床

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Ragnarok Online SideStory「ペットイーター」 prologue

DATE: 2006. 05. 29 CATEGORY: 小説
 ズチャリ、と俺の振るったメイスがソフィーの白い喉を食い潰した。
 絶叫
 打ち込みが甘かったのか、ペットのソフィーは悲鳴を上げて飼い主に助けを求める。
 煩い……、魔物ごときが人間の様な悲鳴をあげるな!
 二撃目、三撃目と同じ位置に打ち込んで、ようやく耳障りな悲鳴がやんだ。
 それでも、喉を押さえて石畳にうずくまる魔物は、二度と声の出ることのない唇を震わし助けを求める。
 無駄だ。
 貴様の飼い主は、あのバカ共が3人がかりで取り押さえている。
 いかに聖都プロンテラとはいえ、法衣越しでも雨粒の当たる感触が解るほどのこの激しい夕立のなか、こんな裏路地に誰が訪れるものか。
 もし付近に誰かがいようとも、貴様の悲鳴などこの雨音と雷鳴にかき消されてしまう。ちょうど貴様が喉と口から垂れ流す、人間と同じ色をしているなんて極めて遺憾な赤い血を、雨が洗ってくれるようにな。
 無論、こうして鈍器を振るう俺も、それをみて狂喜しているバカ共の行為も、すべて無駄なのだ。
 残念だが臭いと執念は消せないのか、すえた血臭のなか、いまだソフィーは懸命に唇を動かし、飼い主に何かを伝えようしている。
 声ではなく、口の形から読み取れるそれは、

わ・た・し・お・にぃ・ちゃ・ん・の・ぺっ・と・で、お・にぃ・ちゃ・ん・と・いっ・しょ・に・い・れ・て、う・れ・し・かっ・た・よ。
い・つ・も・か・り・ば・か・り・だっ・た・け・ど、・た・の・し・かっ・た・よ。

 助けではない。別れの言葉だと、……魔物のくせに生意気にもほどがある。

だ・か・ら・な・か・な・い・で。・こ・ん・ど・ま・た・う・ま・れ・か・――――

 黙れっ!!
 俺はメイスを振りかぶる。幾度と無く魔物どもの血を吸ってきたそれを、この不快な魔物の頭部に叩きおろした。
 別れの言葉など言い切らすものかっ!!
 1回、2回、3回、4回、5回、6回。
 だんだんと首から上の原型がなくなってゆく。メイスに頭皮と髪がへばり付き、握るグリップには粘つく血と、まだ温かな脳髄と脂肪片が滴り落ちきた。それでも俺は叩き込み続ける。
 7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、15回、16回、17回、18回19回、20回、21回、22回、23回、24回、25回、26回、27回、28回、29回、30回、31回、32回、33回、34回、35回、36回、37回……
 回数を重ねるごとに血臭は増し、腕と背中に痛みが走るが、その回数と痛みが、かつて別れの言葉も言えず死んで行ったあの人たちへの手向けになると信じ、叩きつける。
 あぁぁ、神々よ、あと何回魔物どもを叩き潰したら、人々は救われるのですか。







ラグナロクオンラインの二次創作。まずは、プロローグ部分の公開です。
某所で公開済みのものを切り貼りしていくのですが、来月末か七月に完成予定の、のんびりとした企画です。
どうか、気長にお付き合いください。 
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